水戸で、映画『標的の村』の緊急上映が決定!
2013年キネマ旬報ベスト・テンの1位にも選ばれた、必見のドキュメンタリー。
映画公式サイト:
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◆ 日時:2月27日(木)①10時半~12時 ①14時半~16時 ②18時半~20時
◆ 場所:県民文化センター小ホール 料金:前売り¥1000 当日¥1300
◆ 問い合わせ:029-226-3156 詳細は、チラシをどうぞ。
<監督インタビュー>
① Neoneo Web⇒http://webneo.org/archives/10363
② シネマジャーナル:
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以下、感想です。
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国から何の説明もなく、オスプレイの配備も隠されたまま、
なし崩し的にヘリパッド建設を強行された住民たちが、
最後の手段として選択せざるを得なかった工事現場での座り込み。
その住民たちの行為を国が通行妨害の罪で訴えるという前代未聞の事態。
舞台となっている東村高江は、160人の村民が暮らす小さな集落だ。
澄み切った清流と、世界自然遺産の候補にもなっているやんばるの森があり、
その豊かさにほれ込んで移り住んだ人たちもいる。
訴えられた住民の会の中心メンバー、現さんこと安次嶺現達さんもその一人。
川の傍にある手作りの自宅兼カフェを家族で営みながら、6人の子どもを育てている。
現さんが、自宅の畑で作業をするシーンがある。
収穫した野菜で一杯の荷台を子どもたちが倒してしまい、地面に野菜がごろごろと転がり落ちる。
現さんは、焦る気配もなく眺める。
そして、ゆっくりと荷台を起こし、子どもたちに、ほら拾ってと促す。
茄子畑で遊びまわる子どもを叱る時も同じ。その足取りは、ゆったりとしている。
現さんだけではない。奥さんも子どもたちも他の住民も、佇まいがとても静かで、穏やかだ。
最も「闘い」という行為から遠いところにあるはずのシンプルな暮らしの営み。
そうやって生きてきた人たち、生きていこうとしている人たちが、
闘わざるを得ない不条理 が、強烈に浮かび上がる。
彼らが望んでいること。それは、なんら特別な贅沢ではない。
家族や仲間との、静かな、平穏な生活。先祖から受け継いだ、瑞々しい自然、大地。
同じ歴史を繰り返さない。苦しみを次世代に残さない決意。
矛盾だらけの現実に翻弄されながら、それでもなお、
澄んだまなざしを持ち続けている彼らの源に流れているものを想う。
10万人が集結した県民大会の直後、政府はオスプレイの配備を通達する。
そして、その配備の前夜、住民は普天間基地のゲート前に車を並べ、座り込み、
22時間にわたって、完全封鎖する。
同じ県民である警察による強制排除。激しい衝突のなかで響く歌声。
日本人同士で、人間同士で、何故こんな闘いをしなければならないのか。
何故傷ついた者同士が傷つけあわなければならないのか。
一体何のために?
その問いが、胸に突き刺さる。
昨年の11月に観たのだけれど、あまりにも衝撃が大きすぎて、ずっと感想が書けなかった。
日本全国の人たちに観てほしいと切実に思う。上映会へ是非。